選定の基準と方法を決める
戦略的パートナーシップの計画には、新たなパートナーシップ候補を評価する基準と、その中から実現に向けて動くものを選ぶ方法も 含めます。このような基準と方法は、機関によって大きく違っています。米国では現在、多くの教育機関が、いかなる協定に署名する場合も事前に長い時間をかけて教員、各学部、国際交流課、顧問弁護士、CEO、上級管理職などの間で学内協議を重ねるようになっています。早い段階におけるパートナー候補との話し合いには、各機関が運用している基準と方法の説明も含める必要があるでしょう。
新たなパートナーシップ候補を評価する基準は基本的に、下記の項目からいくつかを組み合わせたものになります。
- 機関間の全体的な一致度
- 使命、目標、価値観が似ている
- 学生の背景や取得する学位が似ている
- 提供している学問・教育プログラムおよび得意とする専門分野で似ているもの(相乗効果が得られる)と補い合えるもの(欠けている部分を埋めることができる)がある
- 機関間の国際面の目標に限定した一致度
- 国際的な教育、研究、市民活動、組織の成長のいずれか、または全部に関する具体的な目標を追求している
- 各機関が国際パートナーシップに与えている位置付け・役割が一致している
- 現在のパートナーシップ構成との相性の良さ
- 強みとなっている部分を強化できる
- 欠けている部分を埋めることができる
- 必要な資金が多額になりすぎない
- パートナー候補機関に関する以下の項目の質と誠実性
- 関係機関から受けている認証・認定
- ランキング
- 教育プログラム
- ビジネスおよびパートナーシップの実践
- 自機関と協働する能力の範囲
- 地理的な位置
- 自機関が属する地域社会の市民または商業的連係と似通っている
- 既存のパートナーシップの所在地に欠けている部分を埋めてくれる
- 学生および教員の関心を引き、彼らに利益をもたらせる
- 一部の教員または学部がすでにパートナー候補機関との協働している
- その関係を貴機関全体に拡大する案を推進する
- 提案されているパートナーシップを構築するために活用できる有力な人脈がある
- 提案されているパートナーシップが、貴機関で1つだけでなく、幅広い学生、教員、プログラムなどを含めたものになる
- パートナー候補との間で、生産的な話し合いが行われた(参照)
- 信頼関係とラポール(心が通い合った状態がすでに確立されている)
- 相互理解(パートナーシップの意味に関する者も含め)がすでに形成されている
- 両機関に共通するプロジェクトと関心がすでにわかっている
- 関与の度合いが決定されている
- 想定される障害やマイナスの影響がすでに特定され、必要な措置を講じた
- 資源および資源の手配に関する交渉をすでに行った
- 規制に関する課題に対し、必要な対策を講じている
- 言語の問題に対し、必要な対策を講じている
- パートナーシップを長期的に支えるための資源と構造が存在する
- 教員および学部の間に、そのパートナーシップにかける熱意がある
- 交通費が出資できる
- 資金的に維持可能な交流構造を設けることができる
- 必要であれば、両機関のコースを突き合わせ、単位交換可能なものを判定 できる
- 通常の通信・連絡システムを設けることができる
- 双方の機関に、パートナーシップにおいて担う部分を管理する人材、部署、事務局がある
- 教職員のための言語指導や、相手国の文化および国の骨子を教える体制が整備されている(または整備できる)
- 提案されたパートナーシップが貴機関で必要なレベルの議論や心理が行われ、関係する当事者全員が承認する
- パートナーシップが全当事者にとって互恵的なものになる
- 双方が同等の価値を持つ何らかの利益を得ることになる
- 両機関が単独では開発できないものを開発できる可能性がある
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