学事暦の違い
課題
日米の高等教育機関では異なる学事暦を採用しており、スケジュールを合わせることが難しくなっています。日本お学事暦は4月に始まり、2月末に終わりますが、米国では8月後半または9月前半に始まり、5月末に終わります。両国の学事歴を月ごとに比較すると、次のようになります。
日本 | 米国 | |
1月 | 2学期中 | 2学期または1月の特別集中講座が始まる |
2月 | 2学期が終了/春休みが始まる | 2学期中 |
3月 | 春休み | 2学期中 |
4月 | 1学期が始まる | 2学期中 |
5月 | 1学期中 | 2学期が終了する |
6月 | 1学期中 | 2学期が終了/夏休みが始まる |
7月 | 1学期が終了する | 夏休み |
8月 | 夏休み | 夏休みが終了/1学期が始まる |
9月 | 夏休みが終了/2学期が始まる | 1学期 |
10月 | 2学期が始まる | 1学期中 |
11月 | 2学期中 | 1学期中 |
12月 | 2学期中 | 1学期が終了する |
解決策
様々な大学がこの課題に、色々な方法で対応しています。ただし通常は、パートナー機関に1学期または1年間、直接留学した学生が、留学期間の前後に通常よりかなり長い休暇を取ることが多いようです(4学期制を採用している機関には、この点について、もう少し調整できる余地があります)。
一部の機関は、この学事暦のずれによる長い空白期間を利用して、受け入れ学生に各種ブリッジ・プログラムを提供しています。こうした空白期間に、特別な短期プログラムを開催している機関もあります。また、米国人学生のために、米国の大学の学事暦にスケジュールを合わせたプログラムを提供している大学もあります(名古屋大学、上智大学など)。さらに、海外パートナー機関に合わせて、学事暦そのものを変更した機関もあります。
留学時期に関するもう一つの問題:
日本における企業の採用活動期間
日本人学生の米国留学を推進する上で、考慮すべき事項がもう一つあります。それは、多くの日本企業が新卒者の採用プロセスを長い時間をかけて行うという雇用慣行です。新卒者の採用プロセスは長い時間がかかり、手順も入り組んでいます。企業による採用活動は、3年次の2学期に解禁となり、4年次の終盤まで続くのが普通。その間、学生は企業の採用担当者と何度も面接し、やり取りを繰り返します。詳細は『カルコン教育タスクフォース報告書』をお読みください。日本企業に対し、この雇用慣行と採用期間に見直しを求める声が相次いでいますが、未だに多くの企業がこのスケジュールのまま採用活動を行っています。日米間のパートナーシップが留学生交流プログラムを企画する際には、こうした採用活動の時期や仕組みに配慮する必要があります。
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